同じマイセンの人形の中でも絵付師の技量により、全く違った人形になります。 一般的には、19世紀の作品が一番完成度が高いと言われていますが、19世紀の作品の中でも良い人形と悪い人形があります。 また、現代物の中にも稀ですが秀作もあります。 コレクターのなかには、良い作品だけを集める方もありますが、マイセンの資料として美術館などを開く志の方には、色々な違ったマイセンを集められる方もおられます。 ここでは、高価なマイセンを数点だけでも所有したいと言う方のために良い人形を選ぶ上でのポイントを説明いたします。
ポイントその1:顔の絵付けが美しいこと。
人形はは顔が命といっても過言ではありません。
繊細な絵付けが要求される難しい仕事ですので、絵付師の技量がためされます。
サンプルを実ながら、良いものを見る眼を養ってください。
素晴らしい顔の絵付けのサンプル。
顔と肌が全体的に薄く彩色され、頬の部分が自然な彩色になっています。
素晴らしい絵付けのサンプルです。
現代物の絵付けのサンプル。
現代物の中では、秀作ですが、前出のサンプルに比べ、頬や手先以外の部分が白っぽいですね。
そのため、頬の色が少しきつく感じます。
現代物と古いマイセンの顔の描き方の違い。
新しいマイセンの顔のサンプル:
眉毛や眼の周りの線が綺麗に描かれていません。
頬や花の彩色が先の例よりさらにきつい感じです。
古いマイセンの顔のサンプル:
新しい物と較べると眉毛や眼の周りの線が繊細な線で自然に描かれています。
また。頬や鼻やおでこの菜食も自然な感じで綺麗です。
怖い顔ですが素晴らしい顔の表情のサンプル:
怖い表情で葡萄を食べる表情は秀逸です。
美しい女性のサンプル:
見ているだけでうっとりとしてしまう素晴らしい顔の表情です。
繊細な絵付けが素晴らしいですね。
ポイントその2:絵付けが自然で美しいこと。
人形の持つ題材を理解し、その上で題材を表現する彩色が自然で美しいものが最高の人形といえます。配色や全体の雰囲気も大切です。サンプルから良い人形がどのような作品か感じ取っていただけたらと思います。
美しい絵付けのサンプル:
人間の肌色も美しいですが、陶花の葉や花の絵付けも自然で美しいですね。
楽しい雰囲気が伝わってきます。
台座にも絵付けがしてある作品のサンプル:
台座の土の部分にも彩色が施され、大地の上で遊ぶ子供達の姿が自然な雰囲気に包まれているように感じます。楽しそうです。
台座に絵付けがして無い作品のサンプル:
台座の土の部分にも彩色が施されていません。本来、椅子に座っているので、室内の可能性が高いのですが、マイセンの人形の場合は、白っぽい大地に草や花が描かれています。
20世紀の作品ですので、少し白っぽい彩色になりますので、この白い大地がむしろ自然な感じをあたえます。少し厳しい母親の雰囲気が出ています。
神話シリーズの人形のサンプル:
神話シリーズの人形は、裸の男女が多くなります。それだけに、この作品のように筋肉の盛り上がりなどが自然に表現されることが重要な要素といえます。また、肌の彩色が自然で美しいですね。互いを見詰め合う雰囲気に、恋の駆け引きを感じます。
神話シリーズの人形のサンプル:
女性のふっくらとした体と男性の筋肉の盛り上がりなどが自然に表現されています。また、肌の彩色が前作よりさらに自然で美しいですね。男性の天使が愛の告白をする様子がきまっています。後ろの子供の天使がいろを添えています。